本記事は、(株)通信文化新報が刊行する「通信文化新報」(2024年7月8日号)に掲載されています。

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2024年10月から社会保険加入の要件が拡大

Q. 10月からパートも社会保険に加入するのですか。

A.令和6年の10月からパート、アルバイトの社会保険の加入要件が更に拡大されることになります。

Q. 私の妻はパートで働いていて、私の扶養になっています。社会保険の適用が拡大されるとどのような影響がありますか?

A. 現在、厚生年金の被保険者数が101人以上の企業等で週20時間以上働く短時間労働者は、厚生年金保険・健康保険(社会保険)の加入対象となっています。この短時間労働者の加入要件が更に拡大され、令和6年10月から厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く短時間労働者の社会保険加入が義務化されます。つまり、奥様が被保険者数51人以上の企業等(特定適用事業所)で働いている場合、扶養を抜けて、短時間労働者として社会保険の被保険者にならなければいけなくなるかもしれません。

Q.短時間労働者に該当するかどうかはどうしたらわかりますか?

A.短時間労働者に該当する要件は4つあります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 2ヵ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

つまり、特定適用事業所に該当し、上記4つの要件を満たす場合は、短時間労働者者として社会保険に加入することになります。

Q.社会保険に加入すると手取りが減ってしまうのではないかと心配です。

A.確かに、今までご主人の扶養になっていたので、健康保険や国民年金の負担がありませんでした。今後、社会保険に加入することによって保険料の負担は増えますが、将来的な年金額が増えたり、病気で働けなくなったときに傷病手当金を受給できたりと、いいこともあります。具体的に将来の年金がどれくらい増えるかのシミュレーターも厚生労働省のホームページに掲載されているので、「適用拡大特設サイト」を見てみると良いでしょう。