本記事は、(株)通信文化新報が刊行する「通信文化新報」(2024年7月1日号)に掲載されています。

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障害基礎年金を受給、就職するとどうなる?

Q. 障害基礎年金を受給している息子が、就職することとなりました。17歳の時、交通事故によるけがのため、障害基礎年金2級を受給しています。今度、就職が決まり、給料をもらうようになっても今まで受給していた年金は、そのままもらえるのでしょうか。

A.息子さんは、20歳前の傷病による障害基礎年金を受給されているようです。その場合息子さんが、年金以外の給料等をもらい、一定の所得を超えると、障害基礎年金が制限されることとなります。

Q. 一定の所得とは、どのぐらいなのですか。

A. 年間所得が

①3,704,000円以下→全額支給

②3,704,001〜4,721,000円以下→年金半額が支給停止

③4,721,000円超→全額支給停止

となります。息子さんの場合は、今年の12月までの給与収入で、今年の所得額が決まり、一定額を超えた場合は、翌年の10月支給から、次の年の9月までの1年間の年金額が、制限されることとなります。

Q.所得とは、収入と違うものなのですか。

A.所得とは、1年間の収入(課税所得)から、必要経費や各控除額を差し引いた金額を意味します。市町村等で発行される所得証明書等で確認することができます。

Q.所得が多いことにより、年金が制限されると、もう、年金は受給できなくなるのですか。

A.毎年、日本年金機構が、市区町村から所得情報の提供を受けることにより、確認されるため、制限される所得より、少なくなれば、年金は、また受給可能となります。ただし、日本年金機構が所得情報の提供を受けられないときは、所得状況届の提出が必要となりますので、対象となる方に提出に関する案内が送付されることとなります。

Q.これから先、給与が増え、さらに、将来、家族が増えた場合でも、同様に制限されるのでは、大変です。

A.扶養親族が増えた場合は、扶養親族1人につき所得制限額が38万円加算されるので、1人増えた場合には、所得が4,084,000以下であれば、停止されないこととなります。なお、扶養親族とは、生計を一にし、合計所得金額が48万円以下の人をいいます。