
本記事は、(株)通信文化新報が刊行する「通信文化新報」(2025年3月24日号)に掲載されています。
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介護保険制度を活用する
Q.81歳の母と同居している50代会社員です。妻は週3日パートに出ています。先日、母が浴室で滑って転倒し骨折をしたため、病院に入院しています。近々退院する予定なのですが、しばらくは日常生活にも介助が必要になりそうです。妻がパートを辞めることも考えていますが、何か公的な援助はないでしょうか?
A.介護保険の訪問介護というサービスを利用されてはいかがでしょうか。
Q. どのようにすれば利用できるのでしょうか?
A. まずは自治体の介護保険窓口で要介護認定を受ける必要があります。要介護認定は要支援1~要介護5まで7段階に分かれていて、その区分ごとに利用限度額が決まっています。
Q.要介護状態がどの段階かによって金額の負担が変わるのですね。実際に利用できる訪問介護の内容はどのようなものがありますか?
A.訪問介護には、身体介護と生活援助があります。身体介護とは、利用者の身体に直接触れて行う介助やその準備・後始末・利用者の機能向上のための介助や専門的な援助を行います。
生活援助は、身体介護以外の一般的な調理や衣類の洗濯、住居の掃除、生活必需品の買い物など日常生活の援助を行います。
原則として生活援助サービスは同居家族がいる場合、介護保険のサービスとして利用できません。生活援助サービスを利用できるのは①利用者が一人暮らしの場合、②利用者家族などが障害、疾病などの理由により、家事を行うことが困難な場合です。
Q.我が家の場合は、生活援助サービスの利用は難しそうですが、要支援または要介護認定を受けられれば、身体介護サービスを利用できるかもしれませんね。
A.身体介護サービスを受けられれば、食事の介助や衣類の着脱介助、通院や外出の介助などをしてもらうことができるので、とても助かります。まずは自治体の窓口へ相談してみると良いでしょう。
出典:千葉県「介護保険制度について」(https://www.pref.chiba.lg.jp/koufuku/kaigohoken/service/seido/index.html)