本記事は、(株)通信文化新報が刊行する「通信文化新報」(2024年10月14日号)に掲載されています。

【通信文化新報】https://www.tsushin-bunka.co.jp/backnumber/

基礎年金(国民年金)のみの場合、18歳未満の子を養育していれば、受給できる

Q. 先月妻が癌で亡くなりました。46歳でパート勤務をしていて、扶養の範囲内でした。私は54歳で、子供は中学3年と1年生の2人います。被扶養者の妻が死亡しても遺族年金は受給できるのでしょうか。

A.奥様は健康保険の扶養範囲内のパート勤務ということで、国民年金の第3号被保険者です。そしてあなたは18歳未満の子と生計を同じくしていますので、遺族基礎年金を受給できます。

Q. 妻は私が扶養していましたが、遺族年金の受給要件である「生計を維持されている」というのは違う感じがします。

A. 「生計を維持されている」というのは、直接的な収入の多い少ないの比較ではありません。原則次の要件をいずれも満たす場合をいいます。

①収入要件を満たしていること。(前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。)

②生計を同じくしていること。(同居していること。別居していても、仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。)

Q. それなら私も該当するということですね。子供二人をこれから一人で育てるのは、教育費などの面でも大変厳しく、遺族基礎年金が受給できるのは有難いことです。

A.あなたが受給する遺族基礎年金は、子供が18歳になると、その年度末までで失権します。お二人なので順番に失権していくことになります。子が障害者で、1級・2級の障害の状態であれば20歳になった時までとなります。

Q.妻は生前、子供が大きくなったので、そろそろフルタイムで働こうかと言っていました。厚生年金に加入していたら、遺族厚生年金ももらえたのでしょうか。

A.遺族厚生年金は、要件を満たせば遺族基礎年金にプラスして受給できますが、受給者によって年齢要件があります。受給者が夫の場合は、厚生年金の被保険者である妻が死亡したとき55歳以上であることが必要です。しかし、18歳未満の子がいれば、子が遺族厚生年金を受給します。ただしそれは18歳に到達した年度末までになります。

Q.うちの場合は該当しませんが、参考になりました。