本記事は、(株)通信文化新報が刊行する「通信文化新報」(2024年3月11日号)に掲載されています。

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育児休業中の社会保障

Q. 私達夫婦は、正社員で働いています。令和6年1月に出産予定で、妻も私も育児休業を取得する予定です。私は出産後育児休業を3週間程度取得する予定です。取得するに当たり、育児休業期間の賃金や年金はどうなりますか?

A. 一つ目に保険料免除の制度があります。

①同月内に14日以上の育児休業を取得している場合

②育児休業開始月と終了月が異なる場合

は対象となります。一方賞与に関しましては、育児休業が1ケ月以内の場合保険料は免除となりません。

奥様は、産前産後休業期間及び育児休業期間は、取得月から終了日の翌日が属する月の前月までが免除の対象となります。

二つ目に育児休業中に貰える給付金があります。奥様は健康保険から出産手当金、出産育児一時金、雇用保険から育児休業給付金、ご主人は、雇用保険から出生時育児休業給付金が受給できます。出生時育児休業給付金とは、産後パパ育休(子の出生後8週間以内に4週間まで育児休業が取得できる制度)を取得した場合に受給できます。支給額は奥様共に、支給開始時賃金日額×支給日数×67%です。ただし、181日以降は50%です。

出産手当金は、会社から報酬の支払いがないなどの一定要件を満たした場合、出産日(出産が予定日より遅れた場合は、出産予定日)以前42日から出産日後56日までの範囲内で、月額報酬の約3分の2が支給されます。出産育児一時金は、妊娠週数22週以降に出産した場合、48万8千円(産科医療保障制度に加入医療機関の場合は50万円)が支給されます。

Q. 今年の年末調整で妻を税法上の扶養に入れたいと思っております。給付金を受給していますが、大丈夫でしょうか。

A. 給付金に関しましては金額が決して少なくない為、少し不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの給付金は非課税扱いとなり所得には含まれません。つまり、給与以外にこれらの非課税手当てを受け取っていたとしても所得の計算上は給与の金額のみで所得金額が決まります。妻の年間の合計所得金額が48万円以下(所得にかかる収入が給与収入のみの方の場合は年収で103万円以下)である場合に配偶者控除を適用する事ができます。