※本記事は、千葉県最大の建設専門紙【日刊建設タイムズ紙】にコラム「社労士 曽我 浩の目(122回目・2025.3月)」として掲載されています。

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相次ぐ問題社員トラブル ―甘い採用がトラブルを大きくする―

 あいさつをまともにしない、客先に聞こえる声で商品の事実に反する悪口を言う、不注意から高価で大切な物品をたびたび壊してしまう、運転の不注意から社用車を傷つけても「気が付かなかった」と言って報告しない―こういったトンデモ社員を何とかしたいという相談がありました。

 あまりの酷さに、当該者の前職場に問い合わせを試みるため、本人の了承を得ようとしたところ、激しく拒否されてしまいました。

 このような問題社員を解雇できないか?という相談ですが、私としては「解雇は慎重であるべき」と伝え、まずは退職勧奨から試みるべきだと説明しています。解雇したとして、もしも裁判になったら大変な時間と費用がかかります。

退職勧奨とはどういうものかといいますと、「あなたは能力があるかもしれないが当社では合わない、他所で能力を発揮してくれないか?」という趣旨の退職の勧めです。

この場合、社員からは「拒否したらどうなりますか?」という返事が返ってきます。つい、「それなら解雇だ」という返事をしがちですが、これはNGです。解雇を背景に退職勧奨をすると、「強迫による」ものとされ裁判で無効になる可能性があります。あくまでも話し合いのうえで退職合意をする努力をすべきです。

あるチェーン店の店長は、自身の気に入らない店員に退職勧奨をしたところ、形相を変え激怒、拒否されました。ところが二日経ち、その店員から「店長、お話があります」と切り出され、「会社都合ということであれば退職します」と言ってきました。

「突然の提案は拒否される」というように、初めは怒りがこみあげてきても、時間とともに現実を受け入れる場合があります。

事前の準備が大切です ―在職中はイエローカード、採用前の事前確認書―

 問題社員の対応では書面の証拠を残していない場合がほとんどです。当事務所では、事前に業務改善指導書(イエローカード)の交付を勧めています。

 

過去と他人は変えられません。トラブルを招きかねない社員を雇用しないことが大切です。

そのために、採用前に事前確認書の活用が重要です。これらの書面は当事務所のホームページからダウンロードできます。

令和7年度の雇用保険料率

 令和7(2025)年4月1日から令和8(2026)年3月31日までの雇用保険料率はリンク先表示のとおりです。

 なお、失業等給付等の保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに5.5/1,000に変更になります。(農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業は6.5/1,000に変更になります。)

また、雇用保険二事業の保険料率(事業主のみ負担)は、引き続き3.5/1,000です。(建設の事業は4.5/1,000です。)

出典:厚生労働省「令和7(2025)年度の雇用保険料率のご案内」(https://www.mhlw.go.jp/content/001401966.pdf

育児時短就業給付金が創設されます(2025年4月~)

 仕事と育児の両立支援の観点から、育児中の柔軟な働き方として時短勤務制度を選択しやすくすることを目的 に、2歳に満たない子を養育するために時短勤務(以下「育児時短就業」という。)した場合に、育児時短就業前 と比較して賃金が低下するなどの要件を満たすときに支給する給付金です。育児時短就業中に支払われた賃金額の10%相当額が支給されます。(育児時短就業開始時の賃金水準を超えないように調整されます。)

出典:厚生労働省「育児時短終業給付金を創設します」(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001394846.pdf

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問題社員への対応 解雇退職をめぐるトラブル

問題社員への対応

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