※本記事は、千葉県最大の建設専門紙【日刊建設タイムズ紙】にコラム「社労士 曽我 浩の目(124回目・2025.5月)」として掲載されています。

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優秀な若手男性社員を採用したい妙手はあるか?

 「経営陣が高齢化したので会社の将来を見据えてやる気のある優秀な男性若手社員を採用したい」という相談がありました。私は即座に「無理です」と返事しました。経営者にはこれが女性差別と分かっていても本音ではこのように思っている方が結構います。これとは対照的なのが新入若手男性社員のトラブルの多発です。「一流大学を出て資格もあるのに仕事が全くできない」「一流金融機関の勤務経験があるのに協調性が全くない」「年上女子社員が怖くて一緒に仕事をやりたがらない」これに伴い、「解雇できるか」「本採用の取り消しをできるか」などです。

 昨今、日本の中小企業で「優秀で将来有望な若手男性社員を募集したい」と思うことが時代錯誤だということを認識していただきたいと思います。大企業でもこれが時代錯誤であることに気付いています。昔はほとんどが男子学生であった学部でも、今は半数近くが女子学生になっています。

優秀な若手を採用したいなら、男だ女だの考えるのが時代遅れです。私の事務所でも、現在スタッフを募集しています。採用しようと思うとどうしても女性が多くなってしまいます。

腰掛で勤務する女性はほとんどいません。男女など考えずにその事業所にふさわしい人を採用するようにしたいものです。

はっきり言って中小企業では男性社員の採用で失敗するところが多いのが現状です。

モチベーションが上がる賃金体系は?

 「賃金制度を変更したい」という相談を受けることがあります。理由を聞くと「社員のやる気がいまいちであり、なんとか社員のやる気・モチベーションをアップしたい」ということでした。賃金体系の変更でモチベーションを上げることは、結論から言いますと総支給額を上げることなしには困難です。

しかも「贅沢は翌日から日常になる」と言われているように賃上げの効果は長続きしません。平均より高いといわれている建設業でも、千葉県の平均年収は513万、東京でも663万円です。多くの調査では満足度の高まるラインは600万円から700万円と言われています。このくらい出せれば賃金体系の話もいいかもしれませんが、それ以下では従業員の腹にストンと落ちないでしょう。経営者は生活できる賃金を目指しつつ、会社の存在意義を問い直し、社員の要望を聞き、社員に対し「ほめて認めて励まして」をこころがけることです。

私の拙い経験の中で、経営者にとって一番大切なことは「社員をどう見るか」ということだと思います。評価されていると意識できるかどうかです。

私の胸に刺さった言葉は「士は己を知る者のために死す」という中国の2千年前の戦国策の言葉です。立派な人間は、自分を知って待遇してくれる人のためなら、命を投げうって尽くすものだという意味です。「誰が見てもとりどころなき男来て 威張りて帰りぬかなしくもあるか(石川啄木)」と言われないようにしたいものです。

 

鹿児島で在宅勤務、本社は東京。最低賃金はどこに合わせて定めるべき?

 近年では、テレワークなど在宅勤務をする人が増えています。

通勤時間の削減による生産性の向上、多様な人材の雇用や活躍のチャンスが増える一方で、

自宅と会社の所在地のどちらの最低賃金が適用されるのか疑問に思う人もいるでしょう。

厚生労働省のHPを見ると、以下のように記載があります。

------以下引用-----

A,テレワークを行う場所の如何に関わらず、テレワークを行う労働者の属する事業場がある都道府県の最低賃金が適用されます。

したがって、この場合には、A県の最低賃金が適用されます。

-----引用終了-----

つまり、テレワークをしている自宅ではなく、会社の所在地の最低賃金が適用されるのです。

仮に東京の本社に属するAさんが北海道でテレワークをした場合、

東京都の最低賃金が適用される形になります。

出典厚生労働省(A県の事業場に所属する労働者がB県でテレワークを行う場合、A県・B県どちらの最低賃金が適用されますか。 テレワーク総合ポータルサイト

新しい働き方「スキマバイト」スポットワークの違法性について

「スキマバイト」という言葉を聞いたことはありますか?

近年新たに誕生した働き方の一つで、1日、あるいは数時間単位での雇用形態を持つ短期的なアルバイトのことです。

派遣との大きな違いは、「派遣」は労働者と派遣会社の雇用契約になるのに対し、

「スキマバイト」は労働者と勤務先との直接契約に当たります。

さて、このような「スキマバイト」が違法となるポイントや、もし労働者が違反した場合誰が責任を負うのかを解説していきます。

Q:違法となるポイントは?

A:労働時間の合算が1日8時間、または週40時間を超えると労働基準法違反に当たる可能性

があります。

また、「週一日の休日」を取得していない場合も違反となる場合があるので注意が必要です。

Q:上記で違反をした場合は誰が責任を負うのか

A:「副業である事実を知りながら雇用した会社」となっています。

  スキマバイトの社員を雇用する際は、他社での勤務状況の確認が必須ですね。

  また、身近にスキマバイトで働いている方がいたら、「労働契約書」を貰うように助言をすることも大切です。

出典】スキマバイトネクスト(スキマバイトで”連勤”って制限あるの?上限や法律の規定は? – スキマバイトnext|「はたらく」をもっと自由に。|NEXTLEVEL       

 

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