本記事は、(株)通信文化新報が刊行する「通信文化新報」(2025年1月27日号)に掲載されています。

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未納だけはやめて!免除や猶予制度を使えます

Q. 私は現在30歳で失業中です。退職後、実家に戻り両親と暮らしています。なかなか就職先が見つかりません。たまにアルバイトをします。収入が少なく国民年金保険料の納付が厳しいです。何かいい方法があれば教えてください。

A.納付猶予制度を利用するという方法があります。支払猶予制度とは、20歳以上50歳未満の方で本人・配偶者の方で前年所得が一定額以下の場合に、本人が申請書を提出し、承認されると保険料の納付が猶予されるものです。

Q. そのような制度があるのですか。初めて聞きました。

A. あなたは対象年齢に該当しますので、未納によるリスクに備えるためにも制度の利用をおすすめします。

Q.未納のままにしておくとどうなりますか?

A.病気やけがで障害や死亡といった不測の事態が発生したとき、障害年金・遺族年金を受け取ることができない場合があります。不慮の事故や病気が発生してから、過去にさかのぼって申請を行っても、障害基礎年金の保険料納付要件に算入されません。

 また、老齢基礎年金を、将来受け取ることができない場合があります。老齢基礎年金を受け取るためには、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した期間が、10年以上必要です。

Q.そうなのですね。このような制度があると知りませんでした。

A.注意すべきは、猶予期間中納付しなかった部分は将来の老齢基礎年金額に反映されないという点です。猶予を受けた期間は10年以内であれば、追納をして老齢基礎年金の受給額を満額に近づけることができます。収入が安定したら、将来の年金額を増やすためにも早めに追納することをおすすめします。

出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html