本記事は、(株)通信文化新報が刊行する「通信文化新報」(2024年12月2日号)に掲載されています。
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立つ鳥後を濁さず。退職代行はいざという時の最終手段
Q. 会社を退職しようか悩んでいます。退職代行というものがあることをニュースで知りました。そもそも退職代行とは何ですか?
A.退職代行は、労働者本人に代わって弁護士や代行業者が退職の意向を会社に伝えるサービスのことです。第三者に介入してもらうことで退職の手続きが円滑に進みやすくなるため、「退職を言い出しにくい」「会社が退職させてくれないかもしれない」などの心理的なハードルを下げることができることがメリットです。テレビやインターネットなどでよく見かけるようになりました。
Q. 比較的新しくできたサービスなのですか?
A. 今までも未払い残業代請求などの相談を受けた弁護士が、労働者の代わりに退職の手続きを行っており、10年以上前から弁護士の業務の一部でした。
Q. 退職代行のデメリットは何ですか?
A. まず、費用がかかることです。公的なサービスでは無いため、相場が1万円から10万円とかなり幅があります。弁護士に依頼するよりも民間業者の方が値段は安いですが、民間業者に代理権はありません。有給の消化など退職時の交渉はできません。近年では会社と交渉できて、かつ料金も安い労働組合運営の退職代行が注目されています。
デメリットとして2番目にあげるとすれば、人間関係の悪化です。本来退職は労働者が自由に行うことができるもので、民法にも「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から二週間を経過することによって終了する。」と定めれられているので、もしトラブルなく退職できる可能性があるのなら、退職代行に依頼せずに辞めることを考えた方がよいかもしれません。会社の仲の良い同僚や、お世話になった先輩にすら顔を合わせることなく、突然会社を去ることになります。人間関係が気になる場合もよく考えた方がよいでしょう。
ただ、自分から辞めると言い出せない環境であったり、パワハラなどで精神的に追い詰められていたり事情は様々あると思います。
退職代行はいざという時の最終手段として、考えてみてはいかがでしょうか。