本記事は、(株)通信文化新報が刊行する「通信文化新報」(2024年6月3日号)に掲載されています。

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ダブルワークの社会保険料

Q. パートとして、週20時間働いております。2022年10月より会社に言われて社会保険に加入しました。現在、収入を増やしたいので、掛け持ちの仕事をしたいと考えております。社会保険はどうなるのでしょうか?

A.新しく就職する会社において社会保険の要件を満たせば、二つとも加入することとなります。ただし、雇用保険は1か所です。

Q. 二つの会社で加入するのですね。

A. 短時間労働者の加入要件は、下記となります。

①1週間の労働時間が20時間以上

②月額賃金が8万8000円以上

③2か月を超える雇用の見込みがある

④学生ではない

⑤勤務先の従業員が101人以上(2024年10月からは従業員数51人~100人の企業も対象)

Q. 保険料はどうなるのですか?

A.それぞれの会社で算定した報酬月額を合算した月額により決定します。

A社18万、B社10万といった場合は、28万の月額として計算されます。そのうち、A社では18/28、B社では10/28と按分されて保険料が惹かれます。

Q.健康保険証はどうなるのですか?

A.健康保険証は2枚発行することはなく、どちらか一方をご自身が選択することとなります。

Q. メリット、デメリットはあるのですか?

A. メリットとしては、将来もらえる年金額が増えることや、傷病手当金や出産手当金のような給付においては合算した報酬額で計算されます。

 デメリットといえるかどうか分かりませんが、両方の会社にダブルワークしていることが分かります。「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を会社経由で提出する必要があるからです。

Q. それぞれの会社が分かるのは問題ないのですが、社会保険料を抑えたい気持ちもあります。どうしたらいいですか?

A.両方とも適用する要件が揃っている場合には、働き方を変えていただくしかありません。週20時間未満に抑えて働けば社会保険の適用要件から外れます。

 それぞれの会社に相談された方が良いかと思います。最近は、テレワーク等の多様な働き方が増えており質問者様のようなダブルワークをする方が増えております。

 ただし、副業禁止とされている会社も多くあります。双方の会社に話をしてトラブルのないよう進めていただければと思います。