本記事は、全国保険医団体連合会が刊行する「月刊保団連」(2026年4月号)に掲載されています。

【月刊保団連】月刊保団連2026年4月号 - 全国保険医団体連合会

Q.1日5時間で月曜日と金曜日に働いてもらっているパート職員に、他のパート職員が忌引休暇を取得することになったので、本来の出勤日でない火曜日に出勤してもらいました。働いた分の時給は支払いました。ところが、「休日割増賃金は支給されないのか?」と言ってきました。確かにパート職員の休日に無理を言って働かせたわけですが、この場合、休日割増賃金を支払わなければならないのでしょうか。

A. 結論から言いますと、休日労働の割増賃金を支払う必要はありません。

1週間に1日以上休日を与え、かつそのパート職員にとって火曜日を「法定休日」として就業規則等で定めているわけではないので、その日は「労働基準法上の休日労働」にはならないからです。

Q.休日割増賃金は、どのような時に支払うことになりますか。

A.労働基準法35条で休日については、「使用者は毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」あるいは「4週を通じて4日以上」の休日付与も可能と示されてます。従って、通常は週単位で休日を与えている事業所において、1週間のうち1日も休日を与えていない時は休日労働が発生します。

Q.私のクリニックでは正規職員の休日は日曜日と木曜日となっています。そうすると木曜日に働いてもらっても日曜日休んでいれば休日労働にならないわけですね。

A.そうです。ただ就業規則で例えば「日曜日を法定休日とする」と定めておくと、たとえ木曜日休ませても日曜日に働かせると休日労働になります。

Q.そうすると、法定休日を就業規則で明記しない方がいいのでしょうか。

A.そのような考え方もありますから、週休2日制の事業所では明記していないことが多数です。しかし、これでは労働者からするとはっきりしないということで、現在進められている労働基準法改正作業の中で「法定休日」と「所定休日」を明確にする動きがあります。休日労働と所定休日では働かせた時の割増率が違います。法定休日に働かせると3割5分増し、所定休日だと週40時間以内であれば割増はなし、40時間を超えると2割5分増しとなります。

Q.それとこのパート職員は有給休暇も請求してきます。週2日しか出勤しない職員にも有給休暇を与えなければならないのでしょうか。

A.そうです。たとえ1週間に1日しか来ないパート職員にも与えなければなりません。

Q.そんな人は初めてです。休ませて給料を支払ったらやってられません。

A.先生、そんな時代ではありません。昨今は高校に出向き、高校生にアルバイトで働く時の注意点について出前授業をしている弁護士会もあります。またヨーロッパでは、有給休暇の取得率という考え方はありません。100%取得が当たり前だからです。これからは「働き方」と同様「休み方」を考える時代です。

年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています-厚生労働省