本記事は、(株)通信文化新報が刊行する「通信文化新報」(2024年12月16日号)に掲載されています。

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従業員が正しく社会保険に入っているか、抜き打ち調査。応じないと罰則も

Q. 年金事務所から、私の会社へ「全国健康保険協会管掌健康保険及び厚生年金保険被保険者の資格及び報酬等の調査の実施について」という手紙が届きました。これは一体なんなのでしょうか。

A.年金事務所による調査ですね。社会保険に加入する義務がある事業所が、未適用事業所のままになっていないかの確認の場合もありますが、今回はあなたの会社の従業員のうち、健康保険・厚生年金に加入すべき人が全員加入しているかどうか、賃金が正しく報告されているかどうかを確認するものになりますね。

Q. このような手紙が届くのは初めてなのですが、他の会社にもこの時期に届いているのでしょうか。

A. いえ、この調査は同時期に全事業所に届くものではありません。例えば、会社の設立時・新規適用届を提出してから1~2年以内や、数年ごとに定期調査が入ることがあります。タイミングや地域によって調査の方法が異なり、郵送の他に年金事務所の調査員が日時を指定して訪問を行ったり、年金事務所へ来るように日時を指定されることもあります。

Q. そうなのですね。今回は、提出期限までに指定された書類一式を用意して、年金事務所に郵送するように書いてあります。提出書類に、賃金台帳や労働者名簿・就業規則等がありますが、これらで何を調べようとしているのでしょうか。

A. 具体的には、社会保険に入るべき人の加入がきちんとなされているか、月額変更届や賞与支払届の提出に漏れがないか等をチェックされることになります。社会保険加入要件を満たしている方にも関わらず、取得の手続きがきちんとなされていない場合には、最大で2年間加入を遡ることもあります。その分会社負担分と本人負担分の社会保険料が徴収されるので、普段から申告漏れがないように気を付ける必要があります。

Q. そうなのですね。今が繁忙期なので指定された日時に間に合わせるのは正直大変なのですが、提出しない場合はどうなるのでしょうか。

A.調査に応じない場合は、罰則の適用もあります。罰則は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる場合もあるので、必ず提出するようにしてください。