※本記事は、千葉県最大の建設専門紙【日刊建設タイムズ紙】にコラム「社労士 曽我 浩の目(138回目・2026.7月)」として掲載されています。

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横領など反社会的行為職員対応のために就業規則の整備を!

 最近、残念ながら当事務所の関与先で横領事件が相次いで発覚しました。原因の一つは、その人しか分からない仕事を作ってしまったことです。最初は出来心でも、次第に金額が大きくなり長期間に及ぶと被害額が高額になることがあります。

 横領で最も問題なのは、被害の全容が把握しにくいことです。ある大規模医療機関では被害額が億単位に及んだ事例もあります。また、ある事業所では顧問税理士事務所から採用した社員が横領を繰り返し、長期間発覚しませんでした。警察に摘発された事例は分かりやすいものの、グレーなケースは実態の把握が難しく、私たち民間には捜査権もありません。経理担当者が約1,000万円の不明金を生じさせたため懲戒解雇し、労基署へ解雇予告除外認定を申請したものの認定されなかった事例もあります。

 そのため、顧問税理士などの専門家の力を借りてチェック体制を整えることが重要です。同時に、就業規則の整備も欠かせません。懲戒処分は就業規則に根拠がないと無効と判断されることがあり、弁明の機会を与えないことも問題となります。また、一般的に二重処罰は禁止されているため、訓戒と出勤停止を併せて行う場合は、「併科」できる旨を就業規則に定めておく必要があります。懲戒処分の公表や降格、人事異動・配置転換についても、就業規則に明確な規定がなければトラブルの原因となります。早めに、ぜひ就業規則を再点検してみてください。

自動車事故で業務災害の時は損害保険を優先 労災保険からも給付あり!

 雨の多い季節は交通事故が増える傾向があります。実は仕事中や通勤中の交通事故では、自動車保険だけでなく労災保険も利用できます。

 一般的には、自動車保険と労災保険には給付調整があるため、自動車保険を優先して請求します。相手に100%過失がある場合は、治療費や休業損害が補償され、さらに労災保険にはない慰謝料も支払われます。

 そのため、「自動車保険から補償を受ければ労災保険は使えない」と思われがちですが、それは誤りです。このような場合でも、労災保険の特別支給金は受給できる可能性があります。また、後遺障害が残る事故や死亡事故では、自動車保険に加え、厚生年金の障害年金や遺族年金の対象となることがあります。これらの年金は請求しなければ受給できません…。交通事故の補償制度は複雑です。自己判断せずお困りの際はお気軽に当事務所へご相談ください。

7月に令和8年度「全国安全週間」実施!

~令和8年度の「全国安全週間」スローガン~

多様な人材 全員参加 みんなで育てる安全職場

 7月1日から1週間は「全国安全週間」です。全国安全週間は昭和3年に始まって以来、戦争中も一度も中断することなく続けられ、 今年で99回目を迎えます。昔から7月が昔から一番労災事故が最も多い月ということもありこの時期に実施されています。

 これまで、労使が協調して労働災害防止対策が展開されてきました。この努力により労働災害は長期的には減少しておりますが、近年の労働災害については、死亡災害は減少傾向にあるものの、休業4日以上の死傷災害は平成21年以降、増加傾向が継続しています。特に、高齢者を中心に転落や腰痛といった労働者の作業行動に起因する死傷災害が増加し、また、墜落・転落などによる死亡災害が依然として後を絶たない状況にあります。

 労働災害を少しでも減らし、労働者一人一人が安全に働くことができる職場環境を築くためには、令和5年3月に策定された第14次労働災害防止計画に基づく施策を着実に推進するための不断の努力が必要です。事業主には安全配慮義務があります。労働者には自己保険義務があります。計画年次4年目となる令和8年度においても、労使一丸となった取組が求められます。この機会に労災防止活動の大切さを再確認し、積極的に対策に取り組みましょう!

令和8年7月1日より、障害者雇用率の引き上げ

 障害に関係なく、希望や能力に応じて、誰もが職業w通じた社会参加のできる「共生社会」実現の理念のもと、すべての事業主に法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。7月1日から民間企業の障害者法定雇用率が2.5%から2.7%へ引き上げられました。これに伴い、障害者雇用義務の対象となる企業も、従業員40人から37.5人へ拡大されています。

 ▶障害者を雇用しなければならない対象事業主には、以下の報告義務があります。

 ◆毎年6月1日時点での障害者雇用状況のハローワークへの報告(令和8年6月1日時点の報告では、法定雇用率2.5%での不足有無などを確認します。)

 ◆障害者の雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」の選任(努力義務)

 障害者雇用は法令遵守だけでなく、多様な人材が活躍できる職場づくりに繋がります。この機会に自社の雇用状況を改めて確認し、計画的な対応を進めていきましょう。

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