※本記事は、千葉県最大の建設専門紙【日刊建設タイムズ紙】にコラム「社労士 曽我 浩の目(133回目・2026.2月)」として掲載されています。

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正確な労働時間把握が労使トラブル防止の第一歩

 労働基準法では労働者、使用者、賃金とは何かなどは定義があります。ところが労働時間とは何かの定義がありません。そのため、労働時間をめぐるトラブルは後を絶ちません。労働時間で多いトラブルは「始終業がいつか」という問題です。

 始業前の朝礼・準備・工具点検は労働時間に含まれています。終業後の片付け・報告作業も労働時間です。現場間移動時間も労働時間です。手待ち・待機時間の扱いがどうなっているか、労基署もチェックします。タイムカードと実態が乖離しない仕組みがあるかどうか 、建設・運送業では労基署に最もチェックされるポイントです。”会社に集合し、会社の自動車で現場へ行く時間は労働時間かどうか“ということが問題になります。 原則としては、労働時間になります。次の要素があれば、労働時間と判断されます。①会社に集合時刻が指定されており、会社の車両で一斉に移動する移動方法の場合 ②ルート ③同乗者が会社管理移動中、私的行動が自由にできない。 この場合、会社の指揮命令下にある時間であり、集合~現場到着までが労働時間です。 これは厚生労働省の通達・判例実務でも一貫しています。 「現場に着いてからが仕事」「移動中は休んでいる」「助手席だから労働時間じゃない」→ すべて否定される方向です。同乗者も、自由に行動できなければ労働時間になります。

解決の道は就業規則の作成見直し、従業員への周知、書式の整備

 形式が内容を決定するといわれています。書式を整えることが改善の第一歩になります。時間外・休日労働協定(36協定)も形式的になりがちです。労働者代表選出も手続きを手抜きすると思わぬトラブルになります。管理者だから残業代無しということも、いざ争うとほとんど支払い義務があるということになります。服務規律も、経営者ですら目を通していないこともあります。

 就業規則は、「当社ではこれ以下ではどなたも使用しません」というものですから、服務規律に照らした問題があればその都度指摘しておかないと、トラブルがこじれてからでは意味がないことになります。問題社員を辞めさせたいといっても、就業規則に基づきやることをやっていないと、ほとんどの裁判で経営者が負けています。就業規則に基づき従業員の成長を願ってきちんと手を打っておけば、問題社員にならずに済むか、問題社員であることが明らかになっても解雇まで至らずに自ら去っていく可能性が多くなります。

 ともかく解雇をめぐる裁判は経営者にとってお金と時間の無駄です。一方パワハラ・セクハラも早めの書類による対応が必要です。ハラスメントも早めに手を打っておかないと、残業代トラブルに発展します。ハラスメントで弁護士に相談すれば、ハラスメントの損害緒賠償額はあまりにも低いということで、それよりも残業代請求しようということになります。

令和8年度の年金受給額は前年度から2.0%引上げ

令和8年度の年金額の例】  ※出典:厚生労働省「令和8年度の年金額改定について」

 令和7年度(月額)令和8年度(月額)
国民年金 (老齢基礎年金(満額):1人分)69,308円70,608円 (+1,300 円)
厚生年金 (夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)232,784 円 237,279 円 (+4,495 円)

 ※国民年金の支給額は満額受給の場合の表示です。

 ※昭和 31 年4月1日以前生まれの老齢基礎年金(満額1人分)は、月額 70,408 円(前年度比+1,300 円)です。

 ※厚生年金の支給額は、男性の平均的収入(平均標準報酬45.5万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金の給付水準です。(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金 ※満額)

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