※本記事は、千葉県最大の建設専門紙【日刊建設タイムズ紙】にコラム「社労士 曽我 浩の目(132回目・2026.1月)」として掲載されています。

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SNSの国民の怒り収まらない維新の国保料逃れ 国民皆保険制度を揺るがす行為

 私自身税理士から相談を受けました。「毎月レポートを出すだけで団体の理事になれる。社会保険料を安く加入できる。こんなことできるのですか」とその税理士の顧問先の個人事業主から言われたというわけです。私は「労務の実態もないのに安いからと言って社会保険に入るのは問題です。」と返事をしておきました。

 後で税理士からその事業主の方も「毎月レポートを出すことで社会保険に加入するのはおかしいと思うからやめた」と言ってきました。ちょっと稼ぐ個人事業者の国保料は109万円の最高限度になります。しかも国民年金も支払います。国保料と年金で年間130万円。これが最低の標準報酬額5万8千円で社会保険に加入すると年間100万円以上の国保料節約になってしまいます。代表取締役以外は零細企業の場合は週30時間以上働かないと社会保険に加入できません。ところが在宅勤務をしているとか、様々な理由を言えば社会保険に加入できます。今の社会保険調査は未加入は摘発されますが、加入すべきでない人を社保に加入させても別段指摘はありません。この盲点を突いた社団法人が、ネットで検索すれば沢山でてきます。ある程度の保険料を支払っている人がこんな事すれば、国保に加入している人は定年退職者や収入の少ない個人事業者だけになってしまい、国保制度は崩壊してしまいます。島根県知事も記者会見で怒っていました。社会保険は「一人はみんなのためにみんなは一人のために」が理念です。今回の維新の行為は日本の誇るべき国民皆保険制度を揺るがすものです。

労基署の臨検(調査)恐れず・嫌がらず・積極的に!

 労働基準監督署の調査・臨検というと「嫌だな」とか、とんでもないことになったなど必要以上に怖がる経営者がいます。「訴えたのは誰だ!」ということで犯人探しをする人もいました。ユーチューブなど見るとかなり危機感をあおるものもあります。

 労働基準監督署は労働基準法を守らせる機関です。労基法は最低の基準です。これが守れない企業ではそこで働く労働者の能力を発揮、伸ばすことができません。事業所も発展しません。労基署が来ると言ったらむしろ「シメタ!」とこれを機会に労務管理を見直し、学び、会社を改革しようぐらいに考えたほうがいいと思います。準備は何から始めるべきか?「形式は内容を決定する」と言われるようにまず雇用4帳簿(労働者名簿、出勤簿、賃金台帳、有給休暇管理簿)、就業規則を整えるなどです。私は臨検に立ち会うのが好きで最近でも東金、茂原、木更津、成田の監督署に行きました。経営者の皆さんも極力労基署の臨検には立ち会うことをお勧めします。労働紛争は裁判になると全く時間とお金の無駄です。監督署の臨検を機に改善が進めば労使紛争の予防となります。

 今月1月27日に千葉県経営者協会の人事労務講座で「労働基準監督署の臨検(調査)への対応」というテーマで話をさせていただきます。まだ参加予定者は少ないようです。ぜひ、お越しください。

令和8年から法改正となる主な施策一覧

【労働安全衛生法】 

■個人事業者等の労働災害防止 (施行日:令和8年4月1日)

 個人事業者の災害の防止を図るため、個人事業者が労働者と同じ場所で仕事を行う場合に、事業者が講ずべき各種措置の対象として加えられることとなりました。

 ①注文者等が講ずべき措置(個人事業者等を含む作業従事者の混在作業による災害防止対策強化)を定め、合わせてIOL第155号条約(職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約)の履行に必要な整備を行う。

 ②個人事業者等自身が講ずべき措置(安全衛生教育の受講等)や業務上災害の報告制度等を定める。

■高年齢者の労働災害防止(施行日:令和8年4月1日)

 高年齢労働者の労働災害防止に必要な措置が努力義務として定められました。

■ストレスチェック義務対象事業所の拡大(施行日:令和7年5月14日から3年以内の法令で定める日)

 ストレスチェックについて、現在努力義務となっている労働者数50人未満の事業場についても義務化されることとなりました。50人未満の事業所の負担等に配慮し、施行までの十分な準備期間を確保するとしています。

【障害者の雇用の促進等に関する法律施行令及び身体障害者補助犬施行令の一部を改正にする政令

■障害者雇用率の引上げ(施行日:令和8年7月1日)

 民間企業の法定雇用率が2.5%から2.7%へと引き上げられます。

▶障害者を雇用しなければならない対象事業主には、以下の義務報告があります。

 ◆毎年6月1日時点での障害者雇用状況のハローワークへの報告

 ◆障害者の雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」の選任(努力義務)

【子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律

■こども・子育て支援納付金(施行日:令和8年4月1日)

 子ども・子育て支援金の財源として、健康保険料と合わせて給与から控除して徴収する支援納付金制度が創設されます。

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