【傷病手当金】退職しても傷病手当金をもらえる要件とは
こんにちは!ダンディーすぎる社会保険労務士 曽我 浩です。
今日は「退職後の傷病手当金」についてお話します。
業務以外の傷病により休職し、復職しないまま退職する方が多くいます。退職後の収入が不安になるところですが、一定の条件を満たすと、退職後でも傷病手当金を受給できる可能性があります。
●店長からのパワハラで、うつ病に…労災は認められず、傷病手当金を受給するも退職を決意
私の経験をお話しします。あるコンビニに勤める方から相談を受けました。以前は楽しく仕事をしていたものの、店長が変わり、パワハラを受けうつ病になってしまったそうです。主治医に言われ、労災申請ができないかということでした。
労災の請求手続きをしましたが、労働基準監督署は認めませんでした。「店長が変わっただけでうつ病になったということで、業務災害とはいえません」ということで、労災不支給となってしまいました。
そのため、休職期間中は健康保険から傷病手当金を受給しました。しかし、その店長がいる限りは復職することはできないため、退職する決断をしました。しかし、退職してしまったら今受けている手当金はもうもらえないのでしょうか?
その方はちょうど、1年以上の保険加入期間がありました。そのため、退職後も傷病手当金がもらえます。
退職後も傷病手当金を受給する条件は次の通りです。【参照:協会けんぽ】
- 退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あること(任意継続や国民健康保険の加入期間は除く)
- 退職日の前日までに連続して3日以上出勤せず、退職日も出勤していないこと
- 退職日に傷病手当金を受給していた傷病で引き続き労務不能であること(退職後に、新たに別の傷病で手当金を申請することはできません)
しかし、傷病手当金をもらえても治療が長丁場になってしまうこともあります。雇用保険の失業給付はもらえるのでしょうか?
●働けない人に、失業給付は出ない
残念ながら、病気等で働ける見込みがない場合、受給することはできません。失業給付は、次の仕事に向けて働ける人のために支給されるからです。
失業給付は退職後1年以内に受給を開始しないと、権利がなくなってしまいます。
そのため、受給期間の延長をハローワークで申し込みましょう。離職日の翌日から最長4年以内まで受給期間を延長することができます。
職業に就くことのできない日が30日をこえた日から早期に申請することが原則ですが、延長後の受給期間の最後の日までの間であれば申請が可能です。離職票が必要となりますので、退職時に会社からもらいます。ご自身での申請が難しい場合、委任状があれば代理人が申請することも可能です。
延長期間内に治療が終わり、仕事を探せる状態になったら再度、ハローワークに申請すると失業給付を受給できます。
申請の際は、お近くの年金事務所または障害年金に詳しい社労士にぜひ相談してみてください。
社会保険労務士法人 曽我事務所
社会保険労務士 曽我 浩
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