トラブルを防ぐ労働契約書

こんにちは!ダンディーすぎる社会保険労務士 曽我浩です。

今回は、2024年4月よりルールが変更となる労働条件の明示の仕方についてお話します。

●労働条件通知書-明示の方法は書面が原則-

労働条件のトラブルは一番多いものです。

人を雇った時に、「給料は50万円」という口約束をしたものの、いざ振り込まれたのを見ると全然違う金額だった。

就業場所が、自宅から近い職場へ当然配属されるものと思っていたら、違った。

業務内容が、総務担当だと聞いていざ入ってみたら、経理に回された。

こういう事が起こるのは、日本社会の雇用システムによります。日本では、慣習として企業が労働者を「体ごと」その人自身をまるごと雇う、いわば「買って」います。

ここでポイントなのは、必ずしも「能力」や「専門性」で雇われているわけではないことも往々にしてあるということです。

海外では、空いたポジションについて、その人の能力や専門性に応じて雇用をかけるジョブ型が主流です。それに対し、日本の雇用社会はメンバーシップ型が主流です。

ですから会社としては、その「体」をどう使おうと、自由じゃないか、という認識。しかし、労働者は自分の希望に沿った働き方をしたい。

雇用主と労働者の間で認識や希望に齟齬が存在するため、トラブルが多かったのです。

●モデル労働条件通知書

そこで、個々の労働条件を明確にしようという目的で、2024年4月から労働条件の通知を明示し、これに基づいて変更等を行うよう法改正されることになりました。

新しい労働条件通知書は、厚生労働省のホームページからモデル様式をダウンロードできます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudoukijunkankei.html

特に大事なのは就業場所です。新しい労働条件通知書では、雇入れ直後変更後を明記します。「雇入れ直後はここです」「変更後は会社の指定する場所です」と、変更する可能性を明記しておくのです。たとえば、支店がたくさんあってとても書ききれないという場合には、上記のように「変更後は会社の指定する場所」と明記しておけばよいのです。(※例 雇入れ時の勤務地:広島 変更後の勤務地:将来的には会社の指定する国内・海外支店に配属の可能性あり)

また、テレワークで採用しても、勤務場所が変わることもある場合は明記しておきましょう。

その他にも様々なケースが想定されますが、新しい形式に沿って条件を事前に明示しておくと、トラブルを防ぐことに役立ちます。

社会保険労務士法人 曽我事務所
社会保険労務士 曽我 浩
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