年金の繰り下げ受給が75歳に拡大!

こんにちは。ダンディーすぎる社会保険労務士の曽我です。

今日は年金についてのお話です。

今までは繰り下げ受給年齢(年金を受け取り始める年齢)が70歳まででしたが、
令和4年4月から、75歳まで繰り下げできるようになりました。

(※対象になる方は、昭和27年以降に生まれた方です。今、80歳以上の方は対象ではありません。)

選択できる年齢が大幅に増えましたので、何歳からもらったらトクかということを考えていきたいと思います。


もし、75歳から受給を開始した場合、受給額は確かに上がります。(そしてその高い受給額が一生、続きます)

しかし、人間、永遠に生きるわけじゃありません。

「何歳からもらったらトクか。」
これだけはハッキリ言って、何歳まで生きるのかはっきりすれば分かりますが、寿命ばかりは神のみぞ知る。ですから、わかりようがありません。

しかし、自分の健康状態を考えながら決めていくことはできます。


さらに、66歳から75歳まで好きなタイミングを選択できるようになりましたから、それについて考え方を見ていきましょう。

受給開始を待つと、どれくらいもらえる額が増えるのか

年金の受給額は、65歳になったら100%からスタートします。

老齢厚生年金も、老齢基礎年金も、年々繰り下げる毎に受給額が増えていきます。(毎月
)0.7%ずつ増えていくようになっています。

例えば、70歳からもらった方は142%という受給額が死ぬまで続きます。

これが段々上がっていき、75歳まで待てば184%まで増えて、長生きすればその受給額が一生続くのです。

結局、何歳からもらったら「トク」なのか?

65歳に100%からスタートした受給額は、70歳まで繰り下げ(受け取りを待つ)れば142%まで増えるわけです。

そうすると、65歳からもらう面積と、70歳からもらう面積、どちらが大きいか?というわけです。

遅く受給をする場合、中学校で習う一次方程式で計算すると、11年9カ月という答えが最適だと導き出されます。

つまり、70歳からもらう人は、65歳からもらう人に比べて、逆に言えば「何歳で追いつくか?」と考えると、70歳からもらった場合、81歳まで生きれば65歳からもらう人よりおトクになります!

では、75歳からもらったらどうなるか?

この場合も、同じように11年9カ月を足すと、86歳という答えが導き出されます。ですから86歳以上生きるなら、遅くもらうのも良いでしょう。

ですが、何歳まで生きるかどうか…人生これだけは分かりません。


でもこれはある意味で、長生きしたら「あぁよかった!」となるわけです。生きている時に、トクした感覚を味わえるわけです。
ところが、繰り下げでもらった方は、死んだ後でしかそれが分からないのです。

死んでからではしょうがない!

これからの人生何年生きるかを考えて、自分は何歳からもらったらトクか?ということをぜひ考えていただければと思います。

社会保険労務士法人 曽我事務所
社会保険労務士 曽我 浩
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